天才たけしの元気が出る日記

.□ 7/26 どういたまして! □.
終電間際の池袋駅で大きなスーツケースやらを抱えた母娘。
目の前の階段に挑もうとする母親に「持ちましょうか?」と言ってみたが、やんわりと「大丈夫です、ありがとう」と。
引きずるように階段を上がって行くのを横目に、まあ仕方ないか、荷物を持ち逃げされる危険だってあるんだから、と自分を納得させる。

駅のホームに着いて腰を下ろそうとしたらガチャンガチャンと携帯が転がり落ちた。
やばい、買ったばっかりの携帯が、と慌てて拾い上げたら見慣れぬI-phone。
ベンチに座ってる酔っぱらいおじさんのポケットから落ちたようだ。
「おじさん、電話落ちたよ!」と渡すと、「???」
寝てたから何が何だか分からない様子。
受け取って周りをきょろきょろする。
ここがどこで、今ナニモノに、何を手渡されたか理解するまで10秒程。
「おーーありがとうな」と。

僕の買った指定席は窓際のA。
「前をすいません」とBのご婦人に声を掛けて席に座る。
そのご婦人、通路を挟んだCの女の子と目で会話をする。
そして理解した。
母娘で切符を買ったのに、なぜか通路を挟んだふた席。
Aの席に誰も来なかったら、並んでくっついて座りましょう、という算段だったらしい。
「なるほど席を代わりましょう、僕がCに行きます」と言うと、きれいなお母さん、「でもあちらに代わると窓際でなくなってしまいますわ」と。
ほうほう、いいお気遣いだ。
「けど問題ありません、僕はどこでもいいのです」
と移動すると、今度はその女の子「どうもありがとうございます」と。
しっかりした子だなあと感心した。
僕はニコっとうなづいただけだった。

最近うたこは何かしてあげると必ず「ありがとう」と言うようになった。
たいしたことじゃない、例えばティッシュを取ってあげたりだとか。
「ありがとう」に対して「うん」とか「はーい」だけだと、
彼女は「ありがとうって言われたらどういたましてでしょう?」と生意気なことを言ってくる。
初めは「はいはい、どういたしまして」と言ってやっていたが、何度も言われると面倒だし、ちょっとむっとしてくる。
「ありがとう」に対しての返礼は強要するものじゃない。
そんな言い方をするとせっかくの「ありがとう」という美しい言葉、響き、気持ちが意味をなさなくなってしまうんだぞ、と諭してみるが、理解は難しいらしくふてくされて「はいはいごめんなさい」といい加減な感じで終わらせてくる。
それでも何度も言ってくるので、だんだん面倒で「どういたまして!」と投げやりな返事になってしまいがちなのが最近の悩みだ。

そんなことを思い出しつつ、
席を譲った女の子に「ありがとう」と言われ、ちゃんと返事が出来なかったことがちょっと悔やまれた。

30分後、母は降りて行く際、「お席をお譲り頂いて、、、」とまたもお礼を口にし、娘も「ありがとうございました」とちょこんと頭を下げた。
僕は完全に寝入っていたらしく、先程のホームのおっさんのように、ここがどこで、誰に何を言われているか理解するのに3秒かかった。
おっさんの10秒よりはるかに短いのは、まだ僕がおっさんにはなっていないのと、おっさん程酔っぱらっていなかったせいだろう。
頭をフル回転させて、去り行く母娘の背なに「どういたまして!」と滑舌が悪く、調整がうまくいかず思ったより大きめの声が出てしまった。
まるでうたこのありがとうに対しての末期的などういたましてが出てしまった。
失敗だ。

ありがとうにもいろいろあるもんだ。
帰宅する途中で3つものありがとうに直面した。
これからもいろんなありがとうを積み上げていきたいと思い、日記に綴ったのであった。

読んでくれてありがとう。

.□ 6/9 眠いです。 □.
確か去年の夏の終わりに曲を思いつき、言葉を乗せられないでいた歌が書きあがった。
なんの歌にしようか悩んで考えて紆余曲折するうち、近所で子供の家出事件が発生したりして(大したことにはならない事件だった)、少年をキーワードに書いていたけどどうにもまとまらず。
仮歌詞で仮歌をとって聞き直したがどうにもしっくりこない。
もう僕は歌が作れなくなってしまったんだな、そういう歳なんだな、これからは過去に作った歌のみを歌いつつ、次々と現れる世の中の歌詞という歌詞を非難し、悪口を言いながら生きていこうと、最悪のどん底の方まで落ちていった。

しばらく間をおいて久しぶりにパソコンの仮歌ファイルなんぞを覗いてみたら、「少年(エレキ)」という項目があった。
なんだっけ?と聴いてみると、弾き語りのギターをエレキギターでやっているバージョンだった。
普段はアコギでジャカジャカやるのだけど、たまにはノリをつけようとジャカジャーーンとやって、その勢いで歌詞も書いてしまえないかとやってみたのだった。
その「少年(エレキ)」という文字を見てピンときた。
中身の歌はひどいものだったけど、そのタイトルがピンだった。
「少年エレキ」という曲名はどうだろうか。
なんか響きがいいぞ。
少年ナイフみたいだし。

実を言うとまずタイトルを思いついてから出来た曲は多い。
こんなタイトルの曲があったらちょっと気になって聴いてみたくなるじゃないか、という作戦だ。
「月夜にムーンウォーク」などは完全にタイトル先行だ。
曲先か詞先か、という議論はあるが、タイトル先というのはあまり聞かないでしょう。
これは僕の中で結構あるのだ。
まず曲名だけを考えて並べて、アルバムを作ったこともある。
作る過程で変化はすれど。

曲名を「少年エレキ」に決めてからもなかなか出来上がらなかったけど、名古屋のkozaから鼓動バンドのアルバムが送られてきて聴いているうちにイメージができた。
小学生の鼓動くんの歌を聴いて、俺もこんな頃があったのだなあと思ううちに書き上げた。

ただし現在午前5時。
徹夜で曲を書いて、寝て起きて聴いてみたら、とても世に出せない、唐山陶人だったらツボを叩き割ってしまうだろう作品がまあある。
というか結構ある。
徹夜のハイテンションで名作だと勘違いしてしまうのだ。
今回はそうならなきゃいいんだけどなあ。
どうかなあ。
あっ寝なきゃいいんだ!
ずっとハイテンションで生きていけばいいのだ!


 

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