天才たけしの元気が出る日記

.□ 9/27 サバイバー。 □.
荷物は極力減らしたい。
できれば手ぶらで目的地に向かいたい。
たまに電車でそういうサラリーマンを見るが、「何も道具はいらない、俺の体ひとつ、脳みそひとつあれば仕事ができるのだ」と言ってる気がしてかっこよい。
しかし、実際はそうはいかない。
もしお腹痛くなったらどうしよう?喘息が出たらどうしよう?汗かいたらタオルがあるし着替えもあったほうがいい、とあれもこれも詰め込んでリュックは膨れ上がってしまう。
音楽ツアーに行く時も、できればギターなんぞ持たずに行けたらどんなに楽だろう。
しかし、現地の人と仲良くなれずギターを借りれなかったらどうしよう?借りたところですごい引きにくかったらどうしよう?と悩み結局ギターを担いでいく。
そうすると必要な機材も付随しなかなかの大荷物になる。

ピアノ弾きのkyonさんが言っていた。
ギター弾きが羨ましい。
ピアノは運べない。
キーボードも難しい。
現場で借りることになるが、それを弾くというのは、歌うたいにとったら、「今日はこの喉で歌ってください」と言われるようなもんだ。
毎回初体験のコンディションの楽器とライブするのはいかに大変かがわかる一言だ。

それに比べればギターとそれに付随する荷物を持っていきさえすればいいのだから楽なんだろう。
けど荷物はどんどん増える。
着替え、髭剃り、髪に塗るドロっとしたやつ、歌詞のファイル。。。他にもいろいろ。
現地にある道具をうまく活用し乗り切るような、できればマスターキートンのような男になりたい。
そして俺の体ひとつ、頭脳ひとつあれば巨万の富を生み出すことができるのだ、といつか言いたい。

.□ 7/26 どういたまして! □.
終電間際の池袋駅で大きなスーツケースやらを抱えた母娘。
目の前の階段に挑もうとする母親に「持ちましょうか?」と言ってみたが、やんわりと「大丈夫です、ありがとう」と。
引きずるように階段を上がって行くのを横目に、まあ仕方ないか、荷物を持ち逃げされる危険だってあるんだから、と自分を納得させる。

駅のホームに着いて腰を下ろそうとしたらガチャンガチャンと携帯が転がり落ちた。
やばい、買ったばっかりの携帯が、と慌てて拾い上げたら見慣れぬI-phone。
ベンチに座ってる酔っぱらいおじさんのポケットから落ちたようだ。
「おじさん、電話落ちたよ!」と渡すと、「???」
寝てたから何が何だか分からない様子。
受け取って周りをきょろきょろする。
ここがどこで、今ナニモノに、何を手渡されたか理解するまで10秒程。
「おーーありがとうな」と。

僕の買った指定席は窓際のA。
「前をすいません」とBのご婦人に声を掛けて席に座る。
そのご婦人、通路を挟んだCの女の子と目で会話をする。
そして理解した。
母娘で切符を買ったのに、なぜか通路を挟んだふた席。
Aの席に誰も来なかったら、並んでくっついて座りましょう、という算段だったらしい。
「なるほど席を代わりましょう、僕がCに行きます」と言うと、きれいなお母さん、「でもあちらに代わると窓際でなくなってしまいますわ」と。
ほうほう、いいお気遣いだ。
「けど問題ありません、僕はどこでもいいのです」
と移動すると、今度はその女の子「どうもありがとうございます」と。
しっかりした子だなあと感心した。
僕はニコっとうなづいただけだった。

最近うたこは何かしてあげると必ず「ありがとう」と言うようになった。
たいしたことじゃない、例えばティッシュを取ってあげたりだとか。
「ありがとう」に対して「うん」とか「はーい」だけだと、
彼女は「ありがとうって言われたらどういたましてでしょう?」と生意気なことを言ってくる。
初めは「はいはい、どういたしまして」と言ってやっていたが、何度も言われると面倒だし、ちょっとむっとしてくる。
「ありがとう」に対しての返礼は強要するものじゃない。
そんな言い方をするとせっかくの「ありがとう」という美しい言葉、響き、気持ちが意味をなさなくなってしまうんだぞ、と諭してみるが、理解は難しいらしくふてくされて「はいはいごめんなさい」といい加減な感じで終わらせてくる。
それでも何度も言ってくるので、だんだん面倒で「どういたまして!」と投げやりな返事になってしまいがちなのが最近の悩みだ。

そんなことを思い出しつつ、
席を譲った女の子に「ありがとう」と言われ、ちゃんと返事が出来なかったことがちょっと悔やまれた。

30分後、母は降りて行く際、「お席をお譲り頂いて、、、」とまたもお礼を口にし、娘も「ありがとうございました」とちょこんと頭を下げた。
僕は完全に寝入っていたらしく、先程のホームのおっさんのように、ここがどこで、誰に何を言われているか理解するのに3秒かかった。
おっさんの10秒よりはるかに短いのは、まだ僕がおっさんにはなっていないのと、おっさん程酔っぱらっていなかったせいだろう。
頭をフル回転させて、去り行く母娘の背なに「どういたまして!」と滑舌が悪く、調整がうまくいかず思ったより大きめの声が出てしまった。
まるでうたこのありがとうに対しての末期的などういたましてが出てしまった。
失敗だ。

ありがとうにもいろいろあるもんだ。
帰宅する途中で3つものありがとうに直面した。
これからもいろんなありがとうを積み上げていきたいと思い、日記に綴ったのであった。

読んでくれてありがとう。


 

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