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MESSAGE⑤

昨日から偉大なバンド「THE BOOM」のラストツアーがはじまった。

僕は学生の頃、歌がうまくなりたくて毎日のようにカラオケに通っていたのだけど、その頃にもう何百回とTHE BOOMの歌を唄って練習していた。誰かと一緒に行ってもBOOMの歌ばっかり唄うもんだから、未だに当時の同級生たちに会うと彼らにとってはBOOMのてっちゃんという印象らしい。以前、普段ライブハウスなどに足を運んだことのない同級生を自分のライブに誘ったら「お、BOOM唄うの?」って言われたくらい(笑)

ヴォーカルの宮沢さんの物事に対する視点が好きで、宮沢さんの書いた「SAFETY BLANKET」というシリーズの本も愛読していた。

そんな僕の青春時代の1ページに寄り添っていたバンド。

友人のおおたけし氏のつながりから、ここ1、2年の間にベースの山川さんと知り合うことができて、キャンプに誘ってもらったり、ライブに誘ってもらったりしているのだけど、本当にびっくりするくらい良い人で誰にも分け隔てなく接してくださる素敵な方。

現在は「劇症1型糖尿病」と闘いながら、ライヴツアーに出演されています。
先月お会いした時にお話を聞いたのですが、血糖値をコントロールするためにインスリンの注射を打ちながらステージに立っておられます。
ご本人は、「もう慣れたからフットサルもマラソンだってできるんだ」とおっしゃっていました。やはりものすごい精神力だと思う。

学生の頃はずっと聴いていたし、カラオケでも何百回と唄ってきたけれど、ずっと観てきたわけではないので、僕がTHE BOOMの解散について何か言えるようなことはないし、寂しがるのもおかしいのかもしれないけど、やっぱりどこかセンチメンタルになるのは仕方ない。でも初日を終えて観に行った方々の感想や記事などを見ていると寂しんでばかりの人などいなかった。とても楽しそうで幸せそうで、こちらまでなんだか嬉しくなってしまった。

まったくもって自分の勝手な感情にあきれてしまうけれど、今自分が唄えているのもあの当時のカラオケ猛特訓があったおかげなわけで、THE BOOMというバンドがいなかったら僕は今きっと歌を唄っていなかったかもしれないと思うと、感謝の気持ちでいっぱいになる。

物事にはいつか必ず終わりがあって、それを真摯に受けとめることはたやすいことではないかもしれないけれど、日々の瞬間瞬間を生き抜くことはとても美しいと僕は思う。

THE BOOMという偉大なバンドは、このラストツアーでひとつひとつを生き抜く姿をみせてくれるんじゃないかな。